52 【 笑い病 】


あゆみかん自作小説・52

笑い病1


2008年11月26日。ネット小説自作作品52作目。
ジャンル: SF/短編 読了約19分

< キーワード >
目の中にミジンコが見える 伝染病ランキング 
最期は笑い死に 気分は魔王 宇宙からの贈り物 


笑い病4


* あらすじ *


水森紳(みなもりしん)。

彼は、 インターネット をし始める。

「驚かないで聞いてくれ。俺達は……」

バームキューヘンダー星人。

いつしか、紳は思うようになるのだ。
言葉なんて……


笑い声で消してしまえ、 と――




*  *  *  *  *  *  *  *  *



小説全文はこちらから


最後まで書いてみてからでないと、
一体この小説は何ジャンルなんだろうかと思ったりします。
最初から、「よし! ○○を書こう!」と決めてかかったら悩むことはないのですが。
今作は、『世界じゅうが笑いに包まれたら』という、
それではどんなのになってしまうのだろうかと思い書き上げています。
いっそ笑えばいいんじゃない。という、
投げやり感も『コメディ食』で……(ダメですかね 汗)。
宇宙人が出てくるのでSFになっただけですね。
あんまり笑えないかと思いますが。はは。

ではでは。また何処かにて……。
以下に、冒頭ちょこっとだけ掲載しています。





+  ++ ↓ちょい読みこちら↓ ++  +






「あれ……」

 流れ星がひとつ。彼の頭上で横一文字に線を描き流れていった。

 やがてそれは数を増やし、光のシャワーとなって。地上へと降り注ぐことになるだろう……。



 水森紳(みなもり しん)は、幼少の頃からずっとなかなか免疫力がつかず病気がちだった。

 外へ出かけてから帰ってくるとすぐに熱を出し、小学生の時はそんな調子で欠席日数が多かった。成長するにつれ丈夫な体にはなってきたものの油断はならなく、それは中学生となった今でも、である。

 色白で男の子なのだが、可愛らしい顔をして女の子に見えていた。あまり表情を崩すことがないので、お人形さんだねと近所のおじいちゃん、おばあちゃんはよく彼をからかっていた。紳はそれをどう思っていたのかは知れないが、誰も彼の胸中を知る者はいなかったという。

 彼はインターネットをし始める。

 小学6年になった春休みだった。姉の静羅(せいら)が新しいパソコンを買ったため、古いパソコンを頂戴したというわけだった。外に行くことの少ない彼にとっては、それはよいおもちゃとなっていくのだった。

 ネットを使って彼は遊んだ。部屋ではダウンロードをした好きな音楽、シンセポップをかけながら、マウスを動かしキーボードを叩いている。ネットの中では何処か誰かのホームにお邪魔し簡単な挨拶から始まって。コメントを書き残していった。

 そうやって訪れた先々で足跡を残しながら、ネットの中を渡り歩く。見えない相手たちとのチャットで会話をして、並ぶ文字の羅列を目でひたすらに、ひたすらに追っていて。どこまでもどこまでも読み続けていった。いずれは好きな分野のサイトを自分で開設し、別の所ではコミュニティに入って参加してみたりした。暇つぶしに絵を描いたら、それを画像に移してブログ日記に貼ってみる……。

 そうやって段々と抜け出せない深みに嵌まって変化していく彼に、声をかけるどころか気がついてくれる者が家族でさえもいないというのは……少し悲しいことだった。

 いつでもネットから湯水のように溢れてくる情報を、脳に吸収し取り込んで得ることができる。彼は機器の使い方とともに世界のあらゆる現実を知っていくこととなっていった。しかし。

 彼はこれからどうなってしまうのか……どんどんと、ネットの世界に閉じ込められていく……時を忘れて。

 その中でいつしか紳は思うようになるのだ。言葉なんて。

 笑い声で消してしまえ ―― と。


 ……



「紳の様子がおかしいんです! お姉さん!」

と、田畑こころは訴えた。静羅はびっくりして隣に並ぶこころの顔を見る。


 2人は学校からそれぞれの家へと帰る途中だった。学校の駐輪場で、こころは自転車に乗りかけた静羅を見つけて、一緒に帰りませんか話があるんですと声をかけたのだった。

 自転車には乗らず押しながら横に並んで歩いて、人通り賑やかな交差点を曲がり。どうでもいい最近の話題な話を幾つか話した後。こころはさて、と本題を持ちかける。

 話を切り出すのに、こころは声に力がこもった。

「紳が? ……どんな風にかしら。我が弟ながら、何考えてるか分からないんだよなぁ」

 そう言いながら静羅は苦笑いで小首を傾げた。落ち着いたこころは、はあとため息で沈黙を覆い隠す。

「私だけがそう思ってるのかもしれませんけど……」

 こころは紳と出会った頃のことを思い出していた。

 こころは紳と幼馴染である。初めて会ったのは小学3年生の時だった。

 同じクラスとなり、家がご近所どうしで、公園やマンションの駐車場などで友達数人とこころが遊んでいると何処からか紳がひょっこり現れる。

 大人しくて、人の輪の中に入ろうとはせずに黙って見ているだけの紳に、「おいでよ」と最初に声をかけたのがこころだった。

 それが始まり。紳とこころは友達になった。よくサッカーやテレビゲームの対戦などで遊ぶようになった。

 2人は中学2年となった今でも友情で長々と緩やかに続いている。

 ただ、過ごす時間は2人が大きくなるにつれて減っていく一方だったのだが。

「急に部活も勝手に辞めちゃうし……」

 セーラーの襟が風に揺れた。雪でも降るのではないかと思われるくらい冷たい風が、静羅とこころに打ち当たる。街路樹から枯れ落ちた葉は、2人の足元をかすめていった。

「部活っていうと……」静羅が言う前にこころは教えた。

「『お笑い研究会』 です」

「ああそう。それ」

 風は笑った。冷ややかに。

「部長に聞いて初めて知りました。紳からは何も聞いていなかったのに。いきなりだったんだもん」

 口を尖らせるこころ。それだけで紳を『おかしい』と判断したわけではなかった。

「ある日教室で……紳が机の上に本を置いて読み始めたんです。『新大江戸捕物超! アスペラ君がマイル』第十巻を。でもしかしですね、机の上には第八巻しか置いてなかったんですよ! ……ということは、第九巻を飛ばして十巻を読んでいるということになります!」

 こころは力説を奮った。

「あの 九巻 をですよ! 考えられません!」

 そんなことを言う。

 はあ……と適当な相槌を打った静羅は自分の右手側にある商店の、ワゴンで売り出されていた靴に目が一瞬だけ奪われた。本日限りでブーツが安い。

 こころの 『紳がおかしい説』 は横で続いていた。

「不良が捨てた煙草の吸殻を……後で拾って、近くのごみ箱に投げ捨てるのかと思ったら。ちょっと違うんです。ごみ箱の横に置いただけなんです! 何故、中に捨てない! 私には紳の考えていることが全くわかりません! あの几帳面な紳が」

「ああそう……へえ」

 静羅はどうでもいい返事をした。

 こころはさらにもうひとつ付け加えた。お付き合い願いたい。

「突然空を見上げながら……紳は言ったんです。『酸素分子が見える』……おかしくないですかあ!?」

 興奮したこころは最高潮に至った。「まだ目の中にミジンコが見えるってんなら分かります!」

 静羅には分からなかった。自分との年齢差のせいかもしれないと無理やりに思うことにした。


「それに、よく笑うんです」


 こころは言った。

 それにピクリ、と静羅は反応を示す。「……どんな風に?」

 何故だかは分からないが静羅は真剣な目つきになった。こころは、それには気がつかなかったが妙なテンションのままで熱弁を披露していった。
「わははは、とか。あっはっはっはあとか。無口な方だった紳がどういう心境の変化かよく笑い声を上げるようになったんですよね。周りもつられて大笑いしちゃいます。それはいいんですけど時々うるさいなぁ、なん……」

と、こころが言いかけた時だった。

 突然、静羅は歩くのを止めた。手押していた自転車ごと停止してしまった。

「? お姉さん?」

 不思議に思ったこころは、静羅の俯いた顔をよく見ようと下から覗き込んだ。静羅は何かを考えているようで、口元のあたりでぼそぼそと何かを言っている。こころには聞こえなかった。

 静羅は意を決したように、顔を上げてこころの瞳を見た。


「こころちゃん。驚かないで聞いてね……私たちは、人間じゃないの」




 ・  ・  ・




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笑い病3 笑い病2




 + +  ありがとうございました。 + + 





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いろいろ描いてきた
QRコードというらしい
QR
よく来たね~

あゆ森たろ

Author:あゆ森たろ
□□□□□□□□□□□□□□□
(- -)こんにちは~
新名「あゆ森たろ」
旧名「あゆみかん」
といいます。

ここはひっそりと
自己満足にひたる
我が秘密基地(別荘)
快適かもしんない
でもあんまり力入れてない
いいじゃん適当に
つくっただけさ
ヘイ ボーイ
ド根性ガール
そんな
ユルイカユイハズイ
空間
『あゆまんじゅう。』
(「。」を忘れないで)
です。

主に自作小説を書いたり
(リンクからどうぞ)
本も出版してたり
(リンクからどうぞ)
企画にも顔を出してみたり
(リンクから*しつこい)
絵もたまに描いてますが
ヘタレ@。
日々画力は低下。
昔のテクは何処いった?
それはもう遠い
過去のこと・・

ネット公開しときながら
ここはあくまでも
秘密基地(本家はmixi)なので
宣伝はこっそりと
お願いします(矛盾)。

放置しているかと
思われますが
その通りです。
深く考えても何も
もらえません。
むしろ損です。
注意。

しつこいエロと勧誘
うるさい偏りお断り。

ただ調和と癒しを好む。
平穏大事。
哲学する。学問する。
ぷはぁ~
芸術する。

叫ぶのは、
山の向こうでお願いします。

(07/10/21 登録)


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