
映画『座頭市 THE LAST』を観た。
公式サイトは、こちら。参考Wikipedia。
先入観ほぼ無しで観た。北野武氏以外の座頭市は観ていないし、あんまりSMAPをアイドル的にも見ていない、というか昔の話だろうそれは。ということで、感想です。さあて酷評の多いなか、私はどれだけ私なりに解説できるかな(笑)。
そうだなあ、感動した。
押さえてる所は確実に押さえてる表現方法。しかし安っぽく見られる仕方ない面が多い。
そのひとつが、漫画的。私の創作物にも痛い所だ。
映画観た後に暫く経ってから思い出し分析してみるとだ。これは映像でありながら、視点が漫画的だ。それの証拠に、上映中に「あ。」と思えるような、コマの切り替えがあった。観た人は「ああ、あそこね」と気が付くと思うが、突然前触れもなく何でこんな所でと思う所で、画面が横になる。分かりやすく例えばでいうと、そこ。
実はこの手法、漫画で在る。私もドキドキしながら使ったことがある。上手く前後が繋がった時とかに、こっそり嬉しかったっけ(笑)。
印象を与えるのがいいんだね。意味あんのかい、って、さーね? ヒミツ。
ブツ切りの手法(コマ割りね)って、前後関係で繋がらなく引っかかったり(慣れてない)すると、移入できないがために消化できない、結構リスク高い方法でもある。
逆にいえば、移入進行止まることなく観ることができれば、短時間で消化でき満足も得られるオイシイ高等技術。
即ち、移入できるかどうか? で、評価や感想がはっきりと変わってくると。私は先入観無しで観た上に好きな表現方法だし、ばっちり右脳(感性)で観て移入OKだったから、星5点付ける。
音楽が良い。サントラ買って確かめた。暫くハマるぞ(笑)。繰り返し流すのはメインの曲だけだろうけども。
Shining Shadow、でいいのかなタイトル。日本だけの括りじゃないのね。確かに、音楽限らず、日本人には想像できない面があって海外向けかもしれないな、この作品は。時代劇なのに変なの。
サントラ(視聴できます)→amazon
映画観てないと厳しいね。サントラってそういうものだっただろうか。まあいいか。
しかし涙出た映画だったなー。映画で泣くって久しぶり。
時代劇は好きなんだけれども、舞台を作れって仮に言われても出来ないなあ……。話は人情味の世界だし、殺陣の技術も要るし、それ、それぞれ専門の知識が要る。かなり大変なのは、言わずとも。
この映画のストーリーって、過去は過去で(あんまりこだわっていない)、『現在』に重きを置いているね(あくまでも映画のなかでの)。考えようによってはポジティブで、先はこちら視聴者に任せている。
後から、「ああそうか、『ラスト』だっけ」と思い出した。終わりが始まりか。そんなことまで考える奴って私くらいじゃないかと(笑)。
香取慎吾くんが熱演してくれている。盲目の役なんて超難しいのを、観る前に、観た後でどう評価しようか、少々粗っぽくても目を瞑っておこうとか小生意気で調子いいこと考えていたが、撤廃。文句なし。
盲目の演技と聞いて、『ガラスの仮面』が頭のなかをよぎった。北島マヤがヘレン・ケラーを演じる時に、役づくりで盲目の生活をする、あの辺りの話。目が見えていたが見えなくなった人と、最初から目が見えない人とは感覚も育ちも全く違うし、市っていう人物は見えていたわけなんだろう? その恐怖精神世界を体で演技できるのかなという見方がまず。
まあ他に色々と。
無常、っていうのをこの作品レビューでよく目にするけど、確認のために、辞書によると、
(1)万物は生滅流転し、永遠に変わらないものは一つもないということ。
(2)人の世の変わりやすいこと。命のはかないこと。また、そのさま。
(3)人間の死。
リアルだねえ。リアルじゃないと評した方に聞きたいが、何がリアルじゃないって?
血が飛ばない? 飛びたいの? 特に要らんでしょ。
過去が訳わかんない? 最初のカットで何かあったんだな程度でいいと思うよ? 言葉が要るの? だって前向いてる内容だと思うもの。市という者の『現在』に置かれた運命。さだめ。
この人は、生きていていいのだろうか。最後、死んでしまった方がいいのだろうか。わかんない。
映画はラストだけど、市はラストにしてほしくないわね。そう思えたら前向きな最後だ。
よく短時間でまとめたねえ。たぶん、話の内容は、理屈では頭が若い人には解らない。
うーん、説明できるのがここまでか。難しい世界だなあ、片足つっこんでるくせに。くそー。
考えてみちゃ、時代劇、盲目の役、『座頭市』という肩書き付き、それによる重圧感、映像でない手法…
チャレンジャーだな。型やぶりというか。うむ。
深いし超難しい、これだけ厳しい条件のなかでこれだけ出来れば、私なら間違いなく高評価だ。
もう一度観たいかも。本当にもう一回観に行ってしまおうか。酷評のおかげか、席空いてそうだし(笑)。
考えたら酷評が並ぶ理由って、レビュー読めば、先入観つらつら書いてたり(勝氏・北野氏作品と比較、大物俳優の扱い等)。今時のねえ~みたく書いてたり。
それだけ期待大だったんだろうし、期待が大きいほど、落胆の差が大きい。非常に怒りのような不満になる。
今時風…
言ってはみたけど、そうかな? 新しい風だと思えたけど。
最初、新しいことを始めてみると、世間にはまだ浸透してないから多く拒否される。それが常だし、それが分かるのは、経験した人だけ。あー悲しい、でも仕方なし。遠慮なく解らんと言ってしまえ(笑)。
きっと星3つくらいがちょうどよい加減の評価かもねこれは。私が他の作品で評価を3にする時って、普通か判断不能、判断不能というのは、自分の知る専門外だったりとか。普通とはいっても悪い意味ではなく、ハマらないけど良かったですよという程度。だいたいそんなもんでないの?
あんまり2以下を付けないかな。だってそもそも評価しませんもん(笑)。評価しないのには、書く時間とかがなかったり他の事情もあるけど。嘘は出来ればつきたくはないねえ。
前に『ダレン・シャン』を観た時に酷評してしまったけれど、あれは内容を詰めようとするんだけれど、何処を注目してストーリーを追えばいいのか。単に消化しきれてない点を突いた。たぶん友情だろーなー、と予想したが、わかりにくい。
元が児童書で高く支持されていた小説で、予想通り(映画化されたのは最初の巻あたりかな)最初は友情面を出していたっぽいらしかったが、なら最後それその終わり方あかんやろ、っていう。
何か話が評価の付け方になってしまった。あれおかしいな? レビューじゃなかったっけ(笑)。
レビューではないか、感想かな。感想なんざ、面白い・面白くない・解らんの3つで充分なんですけど(笑)。
とか言いながら、ぐだぐだ書いてるわけです。
DVD出ないかな…
話戻るけれど、酷評多しも裏返せば賛美だな。面白。
作品に評価自体することも、馬鹿げてるよなと思う時があるのです。